SLBの多様性と日本で製品を作る意義について、2022年8月に製造本部長に就任したクレア・タンに話を聞きました。
- SLBでの今までのキャリアについて教えてください。また、SKKテクノロジーセンター でどのような仕事をしていますか?
2008年に工学部を卒業してすぐに、新卒入社(フレッシュアウト)として私のSLBでのキャリアが始まりました。高い技術力を持ち、性別の多様性を重視する国際的な企業に入りたいと考えていた私にとってSLBは正にぴったりの会社でした!
この14年間、母国フランスのクラマー(パリ近郊の都市)で勤務していました。最初は製造エンジニアとして、地下抗井検層・掘削製品製造の機械分野を担当しました。その後、サプライチェーン、品質管理、生産計画、製造・生産管理など様々な職務を経験しました。そして2022年8月に、相模原にあるSKKテクノロジーセンターで働く機会を得て日本での新たな挑戦を始めました。
現在の製造本部長としての役割は、お客様を中心に考え、納期を順守しながらも高い品質基準を保ち、健全なコスト管理の中でも働く従業員の安全に万全を期した体制を、全ての製造ラインへ提供することです。また、各部門との適切な連携、製品の技術革新に伴うSKKテクノロジーセンターの最適なビジネスポートフォリオの確保、そしてデジタル化など最新技術を通じて私達の製造をより高いレベルに引き上げることを長期的な目標としており、私たちのビジョンでもあります。
- SLBのジェンダーフリーへの取り組みと多様性について教えてください。
SLBの多様性は弊社の大きな強みです。組織のあらゆるレベル、各拠点においてインクルージョン(多様性の受け入れ)への強いコミットメントがあります。
私自身も、現在小学校に通う3人の子供を育てながら勤務しています。子を持つ母親あるいは父親への理解とその協力的な姿勢(組織のあらゆるレベルにおいて)は、SLBが持つ非常に大きな強みだと感じています。
また、私はこの様な考え方は社会に出る前から身に付けておくべきだと考えています。多様性を認める職場にするためには、大学での多様性が必要です。さらにはその為に中学・高校などからその考え方を身につけ準備したいものです。そうすれば、すべての子供たちが将来への志を持ち、固定観念を打ち破ることができます。そのために私は毎年、学校を訪れて若い世代の女性たちに、女性としてのテクノロジー企業での働き方や、3人の子供を育てながらキャリアを持つ経験について話してきました。
SLBでのインクルージョンとは、性別の多様性に留まりません。例を上げますと、私たちのチームでは昨年度、障がいを持つ技術者を迎え入れる機会があり、その状況に合わせた職場環境づくりを行いました。一歩一歩、より良い世界を目指しています。
- 日本の製造部門を志望した動機は何ですか?
日本の製造のカルチャーについてお話しさせて下さい。「ジャスト・イン・タイム」という言葉がありますが、これは生産タイミングについてだけでなく会議など(時間前に始めることもあります)にも用いられていますし、「5S」活動による美しく整えられた生産ラインや、従業員全員の難しい課題に挑む力や献身的な姿勢は印象的です。
製造業の魅力は、コミットした製品の品質と納期を守るために必要なあらゆる挑戦、それに立ち向かうチームワークと努力、そして目標を到達した時の達成感です。こうしたチャレンジの連続に決して飽きることはありません!
ものづくりとは「技術」です。私たちは、SLB開発本部による素晴らしい設計を具現化するべく開発初期段階から製造法を確立し、高温・高圧試験、機能試験など徹底した品質チェックを行い製品全体の信頼性を保証しています。
また、製造業は「人」です。私達の素晴らしいチーム、このチームがもつ熟練の技術と経験こそが、弊社SLBが日本に製造拠点を構える理由であり、その我々の卓越した製造技術が、SLBが世界でビジネスを展開する上で他社との優位性を保つ原動力となっているのです。
- SKKテクノロジーセンターの製造部では、再生可能エネルギーへの取り組みや、サステナブルな社会へどのように貢献していますか?今後数年間のカーボン・ネット・ゼロに向けた取り組みについて教えてください。
近年、SLBでは新エネルギーの専門部門であるSNE (SLB New Energy) を設立しました。また、弊社のブランドをSLBへと変更し、新エネルギーに対する私達の方向性をより明確に反映させました。私たちは、より持続可能な社会の実現のためのエネルギー・イノベーションを推進するグローバルテクノロジー企業として進化を遂げています。SLBの新しいブランドのロゴは、カーボン・ネット・ゼロに向けた私達の目標を明確に体現しています。
我々が活動するSKKテクノロジーセンターでも、生産工程で発生する廃棄物のリサイクルといったプロジェクトや、新たな取り組みである地中熱エネルギーを利用した冷暖房設備の開発・推進のようなプロジェクトなどを通してよりサステイナブルな企業へ変化していきたいと考えています。未来は明るく、力強く、そして私たちがその原動力の一部であることを誇りに思っています。