ワイヤーライン検層では、坑井に最先端の機器を降ろし、様々なデータやサンプルを取得し、そのデータを基に目に見えない地下の地層評価を行います。シュルンベルジェの検層機器は常に開発、改良が進んでおり、これまで検層が難しかったような厳しい環境下でも精度の良いデータ・サンプルを得られるようになってきています。
従来は主に油・ガス層の評価に用いられていましたが、近年ではメタンハイドレート、地熱、鉱床、断層の評価など様々な分野で利用されています。
ワイヤーライン検層による高精度かつ包括的なデータ取得により、高解像度また定量的なデータの取得が可能です。取得データにより地層及び地層流体のより深い情報を得ることができます。
ツール名 | 概要 | 対象種目・特長 |
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Pulsar Multifunction Spectroscopy | ケーシング管内におけるTOC(Total Organic Carbon)と飽和率の測定 | TOC検層・スペクトル検層・飽和率検層 |
Litho Scanner High-Definition Spectroscopy | 中性子発生装置によるスペクトル測定 | TOC検層・スペクトル検層・Sigma検層 |
Dielectric Scanner | 複数周波数帯を用いた地層誘電率測定 | 誘電率検層・水飽和率検層 |
MR Scanner | 次世代核磁気共鳴(NMR)検層ツール | 孔隙率・浸透率 |
Rt Scanner | 三軸インダクション検層によるRv&Rh測定 | 様々な坑内温度・圧力、抗径や傾斜に対応可能な基本地層評価用検層プラットフォームが利用可能 |
Platform Express (PEX) | 150degC対応スタンダードプラットフォーム | ガンマ線検層・中性子検層・密度検層・キャリパー検層・比抵抗検層 |
ThruBit | 掘削管内を通過可能な小径プラットフォーム、高傾斜井にも対応 | ガンマ線検層・中性子検層・密度検層・キャリパー検層・比抵抗検層・比抵抗イメージ検層・ダイポール音波検層 |
Xtreme HPHT Logging Platform | 260degC対応、高温高圧検層プラットフォーム | ガンマ線検層・中性子検層・密度検層・キャリパー検層・比抵抗検層・音波検層 |
SlimXtreme Slimhole HPHT Logging Platform | 小抗径用高温高圧検層プラットフォーム | ガンマ線検層・中性子検層・密度検層・キャリパー検層・比抵抗検層・音波検層 |
Sonic Scanner | 3D音波検層 |
複数のMonopole及びDipole発振装置と受信器により坑壁近傍及び地層の様々なデータの取得が可能 音波検層・フラクチャー評価・地層異方性評価 |
ABC Analysis Behind Casing Services | ケーシング管内地層評価検層 | 既存井・生産井におけるケーシング管内での測定により、バイパスオイル等の評価が可能 地層流体の取得・比抵抗検層・音波検層・飽和率検層・孔隙率検層 |
比抵抗や音波を用いて地層を可視化します。取得されたイメージを解析することによって、構造のより深い情報を得ることができます。またフラクチャー、地層異方性、掘削による地層への影響を特定することが可能です。
ツール名 | 概要 | 特長 | 対象種目 |
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FMI-HD | Water Based Mud (WBM)対応の高解像度イメージツール | 従来のFMI (Fullbore Formation MicroImager)を改良し、より計測環境の厳しい条件下でも高解像度の鮮明なイメージの取得が可能 | 坑壁イメージ・傾斜方位測定・キャリパー検層 |
Quanta Geo | Oil Base Mud (OBM)対応の高解像度イメージツール | 新たに開発された回路とデザインにより、従来のOBMI(Oil-Based MicroImager)に比べ格段にイメージカバーレージ上がり、ツール昇降中のみならず、降下中においてもFMI-HDに劣らない高品質なイメージ検層が可能 | 坑壁イメージ・傾斜方位測定・キャリパー検層 |
Ultrasonic Borehole Imager | 超音波による全泥水タイプ対応イメージツール | 発振器・受信機一体型のセンサーを回転させることにより、坑内周方向100%のイメージ取得が可能 | 坑壁イメージ・傾斜方位測定・超音波キャリパー検層 |
ThruBit FMI | ThruBitテクノロジーにおけるWBM対応の高解像度イメージツール | 高傾斜、水平井におけるThruBitサービスにおいてもイメージ検層が可能となり、鮮明なイメージからより詳細な地層評価を実現 | 坑壁イメージ・傾斜方位測定・キャリパー検層 |
地層応力の解析は、抗井仕上げや生産井のデザインに欠かすことができません。音波検層による3D評価は、地層固有の異方性および応力異方性を測定することによって、水圧破砕、出砂コントールや穿孔デザインをサポートします。
ツール名 | 概要 | 特長 |
Sonic Scanner | 3D音波検層 | 複数のMonopole及びDipole発振装置と受信器により坑壁近傍及び地層の様々なデータの取得が可能 |
ThruBit Dipole | ThruBitテクノロジーにおけるダイポール音波検層 | 水圧破砕等水平井におけるThruBitサービスにおいてもダイポール音波検層が可能で、水圧破砕デザインへのインプットとして利用可能 |
地表地震波探査を補完するより坑内での詳細な物理探査を実施することによって、油・ガス層また井戸周辺の地層構造の理解が深まります。
ツール名 | 概要 | 特長 |
hDVS (Heterodyne Distributed Vibration Sensing) | 光ファイバーを用いたVSP |
・従来のVSP技術とは全く異なる光ファイバーを用いたVSPは、光ファイバー内の微小変化を測定することで、非常に短時間により長い区間を測定することが可能 ・光ファイバーはワイヤーラインに内蔵されているため、通常の検層作業を実施している間に地表震源によるVSP測定を取得可能 |
VSI (Versatile Seismic Imager) | 高性能3Cジオフォン | ・3C成分を測定可能なジオフォンを搭載し、最大40シャトルを接続可能 ・高温・高圧対応のQVSIは260度・200MPaのスペックを有する |
DeepLook-CS | 抗井間Cross Well Seismic | 地表地震波探査の100倍もの解像度で得られる坑井間データは、油・ガス層の地層構造、岩石特性また4D測定として地層流体の移動を可視化することが可能 |
Sonic Scanner | BARS 坑内地震波探査 | BARS・Borehole Acoustic Reflection Surveyは坑内での物理探査を可能にし、抗井から離れた地層境界、近傍井戸やフラクチャー軌跡等を可視化 |
ワイヤーラインによる地層圧測定・地層流体サンプリングまたは応用サービスによって、効率的に油・ガス層の静的・動的なデータを提供します。
ツール名 | 概要 | 特長 |
Saturn 3D Radial Probe | 3Dプローブによる効率的なサンプリング取得 | 最大化されたプローブにより、低浸透率、ヘビーオイルなど、従来の圧力・サンプリング測定機器では測定が難しい環境下でも短時間で真の地層圧・地層流体サンプリングを取得可能 |
InSitu Fluid Analyzer | リアルタイム坑内流体解析 | ・技術革新により、従来のFluid Analyzerによる測定よりもより多くの地層流体データがリアルタイムで取得可能 ・CO2・流体密度・粘度の測定の他、従来の炭化化合物の特定やPh・蛍光反応等が取得可能 |
Quicksilver Probe | フォーカスプローブによるコンタミフリーサンプリング | 革新的かつユニークなサンプリングプローブ形状により、泥水によるコンタミの影響がない地層流体のサンプリングが可能 |
MDT (Modular Dynamics Tester) |
スタンダード地層圧・サンプリング取得ツール | ・数十年の間業界スタンダードであったMDT作業をさらに改良し、より高い信頼性を実現 ・高温対応のMDT Forte-HTも利用可能 ・地層圧測定、サンプリング取得(Low Shock・PVT)・流体解析・ミニDST・ストレステスト・IPTT(Interval Pressure Transient Test) |
PressureXpress | 地層圧測定特化型ツール | ・PressureXressは地層圧測定のみ可能 ・地層圧に特化することによって、より短時間での測定が可能となり、抑留リスクを大幅に軽減 |
XL-Rock | 大径コア取得ツール | ・従来のMSCT(Mechanical Sidewall Coring Tool)より3倍の容積のコアが取得可能 ・回路・油圧・機械部門をアップグレードすることによって、より安全かつ効率的に作業可能 |
MSCT (Mechanical Sidewall Coring Tool) | スタンダードコア取得ツール | ・SCT(Mechanical Sidewall Coring Tool)によるコア取得は高い実績をもつ ・コアは最大で50個取得可能 |
多種多様な坑井環境に対応したワイヤーライン検層を可能とするため、最新の技術開発を行っています。特に、昨今の大深度掘削・洋上掘削・水平掘削において、作業リスクの軽減・作業時間の短縮をしつつ、従来と変わらない高精度なワイヤーライン検層データの取得を実現しています。
MaxPull - 超高テンション対応ワイヤーラインシステム | UltraTRAC - 全航跡対応ワイヤーライントラクター |
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MaxPull 30000システムは、検層ユニット、ワイヤーラインケーブル、地表設備、キャプスタン、ジャーを組み合わせることによって、最大で30,000lbsのテンションで作業を実施できるように設計されています。抑留によるフィッシング作業の可能性が低くなり、またTLC、Tough Logging Conditionの必要もないので、洋上掘削における時間短縮及びコスト削減に寄与します。 | これまで水平井でのワイヤーライン検層は、TLCなどの手法で行われてきました。しかしながらワイヤーライントラクターは自力で水平井を進むので、TLCによる作業時間の増加またそれに伴うHSE及びService Qualityのリスクを考慮する必要がありません。トラクターは裸抗及びケーシング管内対応となっているので、どのような坑跡にも対応しています。 |