代表取締役 高橋のインタビュー

Published: 09/02/2022

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世界中でビジネスを展開するシュルンベルジェが日本に拠点を持つことの価値とその役割について、今年4月に代表取締役へ就任した高橋に話を聞きました。


- 日本におけるシュルンベルジェ株式会社の価値とは何ですか?またシュルンベルジェ株式会社の製造拠点が日本にあることの強みは何ですか?

シュルンベルジェはワイヤーライン検層による油層評価をはじめ、石油・天然ガスの上流工程に携わるテクノロジープロバイダーとして企業活動を全世界(120ヶ国)で過去100年近くにわたり展開してきました。日本国内で産出される石油やガスの量は限られていますが、シュルンベルジェ株式会社は日本法人として日本のお客様に寄り添い、国内外を問わずより円滑で効率の良いビジネスを実現できるよう、過去85年以上に渡り日本のお客様の様々なプロジェクトやビジネスをサポートさせて頂いてきました。国内で弊社のように石油・ガスの上流工程の技術サービスを行える企業は非常に限られていると考えています。
 
2022年現在、シュルンベルジェはグループ全体では世界に90ヶ所にも及ぶ製造・開発研究拠点を有しており、製造・開発研究拠点は、その国や地域に根差すことで地域の大学や研究機関、関係する協力企業の皆様との共同研究・開発を行っています。シュルンベルジェ株式会社では、超高精細の特殊センサー等の開発を行い、日本ならではの高品質で信頼性の高い製品の製造を行っており、これらの製品は世界各地のシュルンベルジェ事業所へ出荷されています。


- シュルンベルジェのビジネスは石油・ガス開発が主体ですが、新エネルギーへの取り組みはどのような方向性なのでしょうか?

シュルンベルジェでは2020年に、これまでのコアビジネスである石油・ガスに加え、新たに新エネルギー部門とデジタル部門の2つの事業分野をコアビジネスとして設立しました。新エネルギー部門の事業は、今後最も成長が見込まれることから非常に多くの人的、予算的な資源を投入している事業分野です。新エネルギー部門は6つのビジネスユニットから構成されています。その一つのCCSと呼ばれる二酸化炭素の地下貯留を行うビジネスでは、弊社が過去100年近くにわたって養ってきた油井掘削や地層の評価などの技術をさらに発展させることで事業を推進することができると考えています。また同様に弊社がこれまでに培ったテクノロジーである坑井の掘削、地層評価とモニタリングの基礎技術を用い応用することで、地熱エネルギーの開発や、地中熱を利用した極めて高効率な建屋空調システムを提供するCelsius Energyの事業などを展開しています。その他に、協力する研究機関及び企業と共同で非常に効率の良い水素生成システムの開発や、30年間劣化なく安定して使うことができる蓄電システムの開発など、カーボンニュートラルを実現できる社会の達成に向けて幅広い分野で積極的なビジネス展開を行っています。


- SKKテクノロジーセンターはどのような技術を持っているのですか?

神奈川県相模原市にあるSKKテクノロジーセンターは1985年に設立されて以来、地下探査技術やそれを支えるテクノロジーの開発を行っています。これまでに世界初となる地下坑井光分析装置、プリンタメーカーと共同開発した世界最速(*当時)のカラープリンタ、音波による地質検層装置、高温高圧の地下環境で動作する極めて正確な水晶センサー、地震波を用いた地層検層システム、これらの検層データを地下数千メートルから地上へ高速に伝送する通信技術を持っています。カーボンナノチューブを使用した高信頼性シーリング技術も社内で開発しています。これら各検層機に搭載されている電子基板や複雑な機械機構の組み立て、そして最終製品の高温高圧テストや試運転に至るまでSKKテクノロジーセンターで一貫して製造を行っています。また、これらの技術を背景に、政府の推進するメタンハイドレード研究開発事業への技術協力も行ってきています。

 
- 他の多くの産業がアジアの低コストの国に生産拠点を移す中、なぜシュルンベルジェ株式会社は日本に生産拠点を置いたままなのでしょうか?

弊社の製造する製品は主に油田の探査・掘削のために温度摂氏200度、2300気圧にも達し、さらに激しい振動・衝撃が加わる地下数千メートルの過酷な環境で使用されます。コスト削減のために一部の精密機械部品等は、よりコストの低い国・地域のシュルンベルジェの製造拠点または協力企業から調達していますが、特殊なセンサーや精密電子部品などはその製造工程が極めて複雑であるため、熟練の職人技を持つ製造技術師と広く深い知識を持つエンジニアのサポートによってのみ、安定供給が可能となります。日本で生産される製品は、複雑でより高度な製造プロセスコントロールを必要とする製品群となっているために、コスト削減のための海外移転は必ずしも最適解とは考えてはいません。

 
- シュルンベルジェ株式会社では、どのような人材を求めているのか教えてください。

シュルンベルジェは、テクノロジーとそれを生み出す従業員を大切にしています。この企業価値観は日本法人のシュルンベルジェ株式会社でも全く同様です。日常業務ではヒューストンやパリなど海外の弊社テクノロジーセンターとの多様なコミュニケーションや共同プロジェクトが多いことから、業務では英語を使うことが多くなっています。SKKテクノロジーセンターでは約15%の従業員をフランス、アメリカ、マレーシア、中国など海外からの従業員が占め、国際色の豊かな職場になっています。これからの脱炭素社会を見据え、多種多様な新エネルギー事業を創出するためにも、これまで以上にグローバルに活躍できる様々な専門性を持つ人材を積極的に採用していきます。


 Ryutaro Takahashi
高橋隆太郎
シュルンベルジェ株式会社
代表取締役社長
Details
<略歴>
東京工業大学大学院工学部卒業後、2001年にシュルンベルジェ株式会社に入社。
2002年よりフィールドエンジニアとしてカナダに配属、2005年よりSKKテクノロジーセンターにて製造部配属、2010年より英国Stonehouse テクノロジーセンターにてプロジェクトマネージャー、2015年より上海テクノロジーセンター(SDPU)にて品質管理部長、2019年より同テクノロジーセンター長及び取締役就任。
2021年よりノルウェー(Kristiensand)海上リグ設備 開発部門長、2022年4月より現職。